琉球史の本が買えるお店【首都圏編】
琉球史をやっていると直面するのが、本探しの壁。
要するに欲しい本が手軽に見つからない…ということです。
当然近所の書店にも無いし、Amazonにも無いなんていうこともしょっちゅう…
沖縄県外在住の私は、琉球史を始めたばかりの頃はどこに行けば琉球史の本が手に入るのかかなり試行錯誤しました。
結論から先に言うと、琉球史関連の本は
沖縄の書店が種類・量ともに一番豊富です。
なので、沖縄に行ったときは、書店をのぞいてみるのがおススメです。
が、そう頻繁に沖縄に行くのもなかなか難しいもの。
何度かに分けて、沖縄県外で琉球史の本を探すのにおススメのお店や図書館、サイトなどを紹介します。
●ジュンク堂 池袋本店
本土の書店では、私が知る中で一番品揃えが豊富です。
結構マニアックな本も多くて、驚かされることもしばしば。
琉球史の本がまとめて置いてあるのは4階一番奥の郷土史のコーナーですが、
ものによっては、旅行関連や城関連のコーナーにあることもあるので、検索機を上手に活用するのがgoodです。
●MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店
ジュンク堂自体は渋谷って、東急百貨店の上で、首都圏ジュンク堂の中ではあまり大きいイメージはなかったのですが、琉球史の本に関しては意外と品揃えは良いです。土地柄もあってか、ビジュアル系の本は特に揃っている感じがします。
ほぼすべての書店&サイトで在庫切れの本もたまに残っていたりするので何かと愛用しています。
●ジュンク堂 吉祥寺店
池袋店・渋谷店に比べると品揃えは少ないですが、それでもそれなりにあります。
中央線・井の頭線沿線の方、よく吉祥寺に行かれる方は是非。
●紀伊國屋書店 新宿本店
紀伊國屋ならここが一番の品揃え。
ジュンク堂池袋店との比較だと、ジュンク堂池袋店の方が数は多いです。
が、こちらはまた違うタイトルの本があることが多い、駅直結でアクセスが良いので、こっちはこっちでおススメです。
★★★
琉球史の本を探すコツは、お目当ての本を狙い撃ちしたいときは、
事前に書店のHPで在庫検索して、確認してから行くということです。
(面倒でなけれは取り置きしておいてもらうとより安心)
そして、本棚に見当たらなかったら、店員さんに尋ねてみましょう。
ぶらっと見て回りたいときは、首都圏なら一番品揃えが多いジュンク堂池袋店がおススメです。
首都圏在住の方はもちろん、その他の地域の方も、東京に出張や旅行に来られた際は是非!
琉球王国を導いた宰相 蔡温の言葉
今朝読了したのがこちら。
琉球王国を導いた宰相 蔡温の言葉
佐藤 亮
単行本が2011年に出ていたので、タイトルは聞いたことがありましたが、その頃は私まだ超琉球史ビギナーで、蔡温と言われてもピンと来ず。手に取る所まで至っていませんでしたが、2月末に沖縄に行ったときにジュンク堂で新書版が目に留まり買ってみました。
新書だし、ちょっくら軽く読むか~
くらいの気持ちで購入しましたが、
読んでみると思ったより面白い&興味深いで、
2日で一気に読了。
時代背景と蔡温の略伝からはじまり、
『自叙伝』(蔡温の自伝)
『独物語』(王府政治マニュアル)
の全訳と、
上記2冊以外からの蔡温の言葉の抜粋で構成されています。
読んでいると、
政治とは、基本方針を決定し、それにもとづいて政策を立案・実行することである。
ただし、その中には、全体の根幹をなすものと、枝葉にすぎないものがある。為政者はこの差分をよく理解し、全前者に注力しなければならない。
(P.107より引用)
百年に一度冊封使が渡来するときは、接待費が膨大なものになる。それに備えて、平素からすこしずつ費用をたくわえておくべきである。
(P.111より引用)
などなど、
まるで現代のビジネス書や政策関連本のよう。
『独物語』はいろいろなことが詳しく多岐にわたって述べられていて、マニュアルという表現がぴったり。
書かれたのは何百年も前なのに、現代にも通ずる知恵が端々に散りばめられているように感じました。(現代語訳されているから余計そう感じるのかもしれませんが)
『自叙伝』の方も蔡温の人生全てが均等に綴られているわけではなく、項目の選択にメッセージ性があるところがさすが、名宰相。
読み返したくなる一冊でした。
☆☆☆
蔡温は久米村の出身。
現在も那覇市久米の天尊廟の一角に碑が建っています。
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そして、「うん⁉」となった箇所が。
『自叙伝』の評価事件
冊封使節団の清人が琉球に持ち込んで売りたい商品の代金が、琉球側の想定買取予算をオーバーしていたことから、問題が生じ、蔡温がその解決に当たったという事件。
ちょっと待てよ。こんなエピソードどこかで聞いたことあるぞ。
(もちろんこの本も初読で、他の蔡温関連の本も読んだことない。)
あっ!そうだ。
『テンペスト』上巻でこんな出来事あったぞ。
もしかして、テンペストのエピソードの元ネタか??
他にもちらほら何だかこれと似たようなエピソードや言葉を聞いたことあるなぁという項目が幾つか。(外交やお酒、琉球の立ち位置など)池上永一さんも蔡温の著作読んでらしたのかな。
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時代背景と蔡温の解説から始まるので、予備知識なくても問題ナシです。
【首里城】美福門&継世門
先日御内原の訪問レポをUPしましたが、
今日はその第2弾。
美福門と継世門について。
前回のと記事を分けたのは、
美福門はこの2月から公開開始の新エリアに含まれますが、
前回のレポで紹介したのは有料区域。
美福門は無料区域です。
継世門は実は以前からあって、今回復元されたものではありません。
が、以前は首里城内から直接行くことができませんでしたが、今回の御内原エリア開園で直接行けるようになりました。美福門から道なりに進むと継世門に着きます。
ということで、今回まとめて紹介します。
新しいのがすごく伝わってきて「できたて」って感じが満載です。
場所によって石の色や質感が異なるのは、
グレー→以前復元された部分
白→新しく復元された部分
ごつごつしている部分→発掘されたもの
だそうです。
私は最初この違いを知らなくて、初めて見たときこの違いは何だ⁉となりましたが、
Twitterでフォロワーさんに教えて頂きました。
それと、これも今回知ったことなのですが、琉球石灰は時間が経つと白からグレーに変色するんだそうです。今回復元された部分と以前から復元されていた部分で色が違うのはこれがあるから。(ちょっとこれ何故なのか調べてみたい。)
ちなみに有料区域の御内原の新規開園エリアもまだできて間もないので、全体的に白いです。
首里城の以前から公開されているエリアは大体もうグレーになっていますし、何となく、城の石垣ってグレーっていういめーじがあったので、
私が初めて、正殿から出て御内原を見た感想は 白い !!
何だかすごく白い !!
でした。
城の石垣=グレーという先入観を見事壊してくれました。
花が飾ってあるのは、首里城を花で飾るというイベントをちょうど行っているからだそうです。
(花もキレイなんだけど、できるだけ当時の歴史的景観に近いものを楽しみたいっていう身からすると、プランターに植えてある花っていうのもどうかな…と思ったりもしいてしまいますが。首里城内でも所々見かけますが、当時栽培されていた植物を植えるっていうのは大賛成です。)
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【行き方】
この2つですが、通常の有料区域御内原の見学ルートでは辿り着くことが出来ません。
ちょっとしたコツが必要です。ので、ここで道順を簡単に紹介したいと思います。
(2019年2月末時点での情報です。首里城はしばしば順路や通れる場所が変わることがあるので、このルートが使用できない場合、現地係り方にお尋ねください。)
先ず、通常の順路に沿って御内原を見学した後、順路としては北殿を見学します。
北殿から出た後、右(淑順門方面)に曲がるルートと左(右掖門)に曲がるルートがありますが、ここで必ず右(淑順門方面)に曲がります。
そして、淑順門の前を通って、前方に見える広場みたいな少し開けた場所を目指します。
広場の右手には、洞窟みたいな穴が見えてきます。
その2つの穴にそってまっすぐ進むと、階段が見えてきます。
その階段を上がります。(こんな階段です)
(階段からの眺めも良いので少し立ち止まって、景色を眺めるのもおススメ)
そして、続く階段を道なりに進んでいくと、右に曲がっている箇所がありますので、道なりに右に曲がると美福門が見えてきます。
美福門から少し階段を降りると、継世門に到着します。
首里城の続きを見学したい場合は来た道を戻って、右掖門を目指します。
若しくは、継世門から外に出ることも可能です。
階段や坂があるので、見に行くには多少時間がかかります。
首里城全体を見学する場合だと、通常の見学ルートから外れて、+最低往復15分くらいを見積もっておくと良いと思います。
ちょっとマニアックなスポットではありますが、首里城に行かれる際は是非!